昭和七年三月十九日有田工業學校

 昭和七年三月十九日有田工業學校は、講堂及び二教室増築落成式を舉行した。嘗て江越禮太が熱誠の宿望成りし、勉脩學舍創立より、既に五十二年の星霜を経るに至り、當時の皿山風土記を、口號びし時代を追想すれば、洵に隔世の感がある。
小城の高田保馬(京都大學兼九州大學教授文學博士)の作に成る、有田工業學校の校歌左の如くである。
工業學校々歌

朝風清き泉山 瀬の音高き白川や
地は西海の涯なれど 我等が誇り思ひ見よ

史に見えたる名は永く 海の彼方に輝ける
譽れ普き陶業の 道は我等の身を傳ふ

傳統のすぢ高けれど なほも積みゆく創造の
苦み日々に盡きざれば 工みは永きわれらなり

あゝ柿右工門何人ぞ この日本の工藝の
精を双手に集むべき 我等が望み誰か知る

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